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米軍が妊婦、政府関係者、ジャーナリストを殺害:民間人殺しの隠蔽 / スティーヴン・ソルヅ

2010年4月6日

最近、二つの国で起きた二つの事件についての報告がニュースになった。いずれも、米軍兵士が民間人を殺したのち、嘘をついて証拠を隠蔽したというものだ。民間人殺しについて、米軍とペンタゴン筋はずっと嘘をつきつづけてきたが、今回のはその最新版というわけである。

アフガニスタン:妊婦と政府職員の殺害

ロンドンのタイムズ紙に掲載されたジェローム・スターキーの優れた記事によると、アフガニスタンで、米軍はついに2月の侵入襲撃で妊婦二人を殺したことを認めた。そのときには、アフガニスタン政府職員も複数殺されたという。しかしながら、これまでのところ、その嘘について説明はない。

それまで、米軍は自分たちが殺したのは「テロリスト」であり、女性たちは侵入襲撃の数時間前につけられたナイフの怪我がもとで死んだのだと主張していた。しかしながら、そのナイフ傷は、死んだか死につつあった女性の体から自分たちが撃ち込んだ銃弾を取り除こうと特殊部隊が付けたものかもしれないことがわかってきた。タイムズ紙のスターキーによる4月5日の記事は次のように書いている:

米軍特殊部隊兵士たちは、でたらめな血なまぐさい夜間襲撃の後始末に犠牲者の体から銃弾を取り出してから傷口をアルコールで洗い、その上で、何が起きたか嘘の報告を上官にしていたとアフガニスタンの捜査団はタイムズ紙に語った。

軍の報道官たちはさらに殺害を隠蔽しようとして、公式ストーリーの嘘を暴いたスターキーを攻撃したという。スターキーは次のように説明している:

彼ら[米軍]は・・・・・・私個人の信頼を傷つけようと必死だった。この事件を世界の耳目に晒したからだ。ガルデズ夜襲に関する私の記事に対し、これまで聞いたこともない対応をした。隠蔽の事実を否定しようとする発表の中で、私個人の名前を二度、名指しであげた。

米軍は、私との会話内容を録音しており、それが私の速記と異なっていると主張した。録音を聞かせるよう求めたところ、無視された。さらに重ねて聞かせるよう求めたところ、今度は誤解があったと言い出した。録音と言ったのは、誰かが取ったメモだったと言い始めたのである。テープは存在しないと。

他の多くの事件でもそうだが、この事件でも、米軍が殺害に関わったことを意図的に隠蔽しようとしたことが伺える。そうでなければ、軍高官は既に過ちを認め、戦闘の過ちとその後の嘘の責任者に対する処罰を行っていただろうから----少なくともそう期待される。例えば、一体だれが軍高官に、ナイフ傷のことを話したのか、不思議である。ナイフ傷が、実際に米軍特殊部隊兵士が過ちを隠蔽するためにつけたものだとするならば、誰かがその偽った情報を伝える役割を担ったに違いない。それとも、報道にまでこの主張を伝達した経路に関わった全員が、この情報が嘘であることを知っていたのだろうか? 高官たちは、メディアがこの事件の調査を面倒がってやらないだろう、だから嘘が通るだろうと期待していたのだろうか?

イラク:空からカメラマンを射殺

メディアからは、米軍による別の民間人虐殺事件事件も伝わってきた。こちらは、2007年7月27日、イラクのバグダード近くで起きた事件である。ウィキリークス公開したビデオで、米軍ヘリの搭乗員が、道角にいたイラク人の一団に発砲し、さらにけが人を病院に運ぼうと停止したバンにも発砲したらしい光景が映っているのである。ロイターの記者二人を含む10人以上が殺され、バンに乗っていた子供二人も負傷した。

アフガニスタンの事件と同様、米軍はまず、過ちがあったことを否定した。ニューヨーク・タイムズ社の記事は、軍の偽情報を丸飲みし、「米軍と民兵の衝突でイラク人記者2人が死亡」という見出しを掲げた記事を伝えた。この記事本文も、米軍発表の物語を伝えていた:

米軍は木曜日遅くの発表の中で、ゲリラ7人民間人2人の合計11人が死亡したと述べた。発表によると、米軍が襲撃捜査を遂行中、小火器と携行式ロケット弾により襲撃されたという。米軍兵士は加勢を求め、攻撃ヘリコプターがやってきた。その後の戦闘で、ロイターの記者2人とゲリラ9人が殺されたと発表は述べている。

ウィキリークスのビデオでは、攻撃ヘリの視点から事件を見ることができる。

ヘリコプターの兵士たちは地上の人々が武装しているものと見なしているが、武器は目につかない。一人は武装していた可能性があるが、イラクでは特に珍しいことではない。さらに重要なことは、諍いもなければ米軍兵士に対して発砲もなければ携行式ロケット弾による攻撃もないことである。そうではなく、ロイターの写真家たちがほかのイラク人グループと路上で寛いでいるだけで、ヘリコプターから致命的な襲撃が加えられるまでは隠れようともしていなかった状況がわかる。

バンが止まったとき、ヘリの米軍はバンや乗っている人の状況を確認しようともせずに、ラジオ無線の向こう側から上官の許可を得て、バンを吹き飛ばした。バンに乗っていた数人と、子ども2日が殺された。

このビデオを見ると、米軍の説明が----事件直後の段階では上官たちも信じていたのかも知れないが----、証拠を調べさえすれば誰にとっても信じがたいものであることがわかる。

もう一つビデオから明らかなことは、兵士たちが攻撃を実行する際の歓声である。人々が殺されて笑い声をあげ、M2ブラッドレー歩兵戦闘車が人を轢いたときに歓声をあげ、子どもに怪我を負わせたのは怪我人を助けようとバンが止まったせいだとする声である。

「奴等のせいだ。子どもを戦闘の場に連れてきた奴等が悪い」[書き起こしから

ビデオを見ると、米軍が数年にわたりロイター社によるビデオの閲覧を拒否していた理由が容易にわかる。米軍は体系的に嘘をつき、10人以上のイラク人を殺した事件を隠蔽していたのである。

占領

アフガニスタンでもイラクでも、民間人の殺害が意図的に行われたと信じる理由はない。より恐ろしいのが、いずれの場合も、米軍の日常的な振舞いが引き起こした結果のようであるという点である。外国の軍隊が、自分たちが占領した国の市民を潜在的な敵と見なしている状況で、こうした死者が出ることは十分予想できる。そのような状況で被占領民が非人化されることは避けられない。いつ何どき「敵」を匿っているかも知れない、というわけである。イラクで占領軍はイラクの人々を「ハジ」と呼んでいる。「ハジ」ならば、同僚や同類よりも気にかけず殺せる。

これらの事件、そしてその背後にある相手を非人化する態度は、占領を支える「軍隊保護」の概念により助長される。軍指導部と政治指導部はいずれも、米国人犠牲者が急増すると国内における占領への支持を維持できないことを知っている。それゆえ、不明確な状況では米軍兵士を守ることが強調され、民間人が殺される危険が高まる。

殺害に関与する兵士たちよりも、さらに悪いのは、他人の土地を占領するために兵士を送り込む輩である。というのも、戦争における非人化の危険も、対ゲリラ作戦状況でそのリスクがいっそう高まることもよく知られているのだから。あらゆる占領、実際のところあらゆる占領において、虐殺が起きている。責任者はそれを知っていながら、自国民に対してはそうではないふりをする。そのために嘘をつき、嘘をつき、嘘をつく必要が生ずる。

残念ながら、通常責任者は嘘をつき逃れる。嘘に対する責任が追求されたのは、わずかなケースに過ぎない。

ありがたいことに、最近ニュースとなったこれら二つの事件では、勇敢な記者が個人攻撃と脅迫を受ける危険を犯して真実を洗い出した。けれども、記者たちが調査できる事件の数は限られているため、そうした努力にもかかわらず、占領と嘘は手に手を取って続く。嘘つきたちの責任を追求する必要はあるが、それ以上に重要なのは、わけもわからず外国の地にいる米軍兵士を撤退させることである。

注:ビデオが公開されたのは、ウィキリークスのスタッフの懸命の仕事の結果である。残念ながら、この数ヶ月、資金不足のために、ウィキリークスのウェブは全面稼働していない。将来起こりうる虐待を暴くためにウィキリークスを維持するよう、寄付してはいかがだろうか。伝統的な調査型メディアが崩壊する中で、ウィキリークスのようなサイトの重要性はかつてないほど高まっている。

スティーヴン・ソルヅは精神分析医で心理学者、公衆衛生の研究家で、ボストン大学精神分析学大学院の教員。Psyche, Science, and Societyブログの編集者。米国心理学会が虐待的尋問に参加しているのに対してその方針を変えようと働きかけている組織の一つ、倫理的心理学連合の創設者でもある。また、「社会的責任を果たす心理学者」[PsySR]の代表に選出されている。メールはs s o l d z アット b g s p ドット e d u。

 

 

 

 
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更新日:2010-04-09 21:16:09 kmasuoka 0  del.icio.usに追加   はてなブックマークに追加   twitterに投稿   facebookでshare
[ 原文 ] http://www.counterpunch.org/soldz04062010.html サイトが基本的に翻訳推奨。
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