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暴力を受けた女性被害者の正当防衛は認められない? / エイミー・グッドマン、デニス・モイニハン

  被害者が自らの身を守ると二重の被害者となる危険性がある。―― 一度目は虐待、二度目は犯罪司法制度によって。

  シェレル・ボールドウィンは、元交際相手に繰り返し暴力を受けていたが、運よく命を取り留めた。ボールドウィンは自宅で襲われ、正当防衛をしたために逮捕された。家庭内暴力はパートナー暴力とも呼ばれ、毎年大勢の人を苦しめている。例外はあるがその被害者の大半が女性だ。一度目は虐待、二度目は犯罪司法制度によって、被害者が身を守ると二重の被害者になってしまう危険性がある。シェレル・ボールドウィンの事例は、有色人種の女性が特に弱い立場にあることを明確にする一例だ。

  シェレル・ボールドウィンはジェフリー・ブラウンにコネチカット州で2010年、19歳の時に出会った。やがて二人は男の子を授かることになるが、ブラウンは彼女を虐待するようになり2013年に二人は破局した。その後、裁判所文書によるとブラウンは繰り返し彼女を脅迫し、ボールドウィンのクレジットカードやお金を使い、息子に会いに来た際に暴力を振るった。ついにボールドウィンは暴力、迷惑行為、脅迫を禁止する裁判所命令を勝ち取ったが、ブラウンは脅迫メールを送り続けた。2013年5月18日、脅迫メールを何通も送りつけ、そのうちの2通は「見つけ次第DOA〔ママ〕」とあり、来院時死亡(助からない)を示す内容だった。ブラウンの車が道端に止まっていた。

  シェレルは目が覚めてブラウンが部屋にいることに気がついた。殴られ、ベルトで首を絞められ、むち打たれた。靴やメガネも身に着けず、ナイトガウンのまま家から逃げ出し、車に駆け込んだ。「ボールドウィンさんは車でセメントの壁に突っ込みました」と被告人側弁護士のマイルズ・ジェレティが「デモクラシー・ナウ!」ニュースアワーで話してくれた。「彼女は車の横で目を覚ましました。逆行性健忘症を発症し、何が起こったのか本当にわかっていませんでした」車に駆けこんだ後何が起こったのか明らかになっていない。ボールドウィンは衝突で足を骨折していた。警察は車と壁の間に挟まれたジェフリー・ブラウンを発見し、彼の死亡が確認された。ジェレティによるとボールドウィンを殴るのに使用したベルトが手に巻き付いたままだったそうだ。

  けがを負い、保護命令が出ており、ブラウンからたくさんの脅迫メールが送られていたにも関わらず、シェレル・ボールドウィンは第1級殺人で起訴された。コネチカット州の凶悪犯罪者用の刑務所に送致され、100万ドルの保釈金が設定された。6週間にわたる審議の後、12人中11人の陪審員が無罪判決を言い渡したが、異議を唱えた陪審員がいたため採決不能が宣言された。検事は再審を求め、極端に高い保釈金を設定し続けることを主張した。ボールドウィンは獄中に囚われ続けた。

  先週(2016年3月31日)、再審でボールドウィンは無罪を言い渡された。しかし彼女は獄中で3年間近く過ごした――保釈金を支払うことができないということだけで罪を着せられていたのだ。アメリカの司法省は3月、罰金や保釈金を支払うことができず拘留された貧しい人々の問題に対する手紙を裁判所に送った。一部には、「被告人の財務能力を考慮せず設定された保釈金が結果として投獄をもたらす。被告人が市民の安全を脅かしたり、逃亡の危険性があったりするからでなく、保釈金を支払うことができないという理由からだ」とある。

  ボールドウィンの件はメディアを大きく騒がせた他の事例に類似している。マリッサ・アレキサンダーは、フロリダ州在住、三児の母であり、彼女もまた黒人女性だ。2010年8月、別居中の夫の虐待から身を守ろうとした。アレキサンダー宅で脅迫された際、威嚇しようと許可された拳銃を天井に向かって発砲し、逃げ出した夫の通報で逮捕された。そして加重暴行罪の有罪判決を受け、懲役20年を言い渡された。

  マリッサ・アレキサンダーはフロリダ州の「正当防衛法」を弁護のため適用しようとした。検事のアンジェラ・コリーは白人自警団員のジョージ・ジマーマンを、フロリダ州のサンフォードで17歳のトレイボン・マーティンの殺害した容疑で起訴した人物である。ジマーマンは正当防衛法の適用に成功したがアレキサンダーはできなかった。オハイオ州立大学法学教授のミシェル・アレクサンダーは「デモクラシー・ナウ!」で、マリッサ・アレキサンダーとジョージ・ジマーマンの例を比較した。マリッサの事例は「正当防衛法自体を差別的に適用した顕著な例と呼び、「女性が夫の虐待を確信し、自身の身を守るために威嚇射撃をしたことで20年間投獄されたのです。一方、ジョージ・ジマーマンは人種に対する固定観念と犯罪性の憶測から人を追いまわした結果、無罪放免になっています」

  マリッサ・アレキサンダーは最終的に再審を勝ち取ったが、再審で60年の刑を宣告される恐れがあったため、すでに服役した期間に自宅監禁2年間を加えた司法取引を受け入れた。現在、自宅監禁の2年目を迎えている。

  コネチカット州の話に戻ると、シェレル・ボールドウィンはゆっくりだが、確実に4歳の息子と以前の生活を取り戻そうとしている。シェレルとマリッサは、アメリカで毎年パートナーから身体的、性的な虐待、ストーカー被害を受ける1270万人のうちのたった2人にしかすぎない。虐待という国家的危機、そしてそれと関連した刑事司法制度における大量投獄と人種差別の問題は、本格的な公聴会で審議するに値する。大統領選が行われる今年はなおさらだ。

 
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更新日:2017-01-30 12:33:25 tkkobe (YAMAGUCHI Rika) 0  del.icio.usに追加   はてなブックマークに追加   twitterに投稿   facebookでshare
[ 原文 ] http://www.democracynow.org/2016/4/7/stand_your_ground_unless_youre_a_battered Creative Commons License この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
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