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値引き販売時の印税と出版における贅沢な悩み / クリス・メドウズ

値引き販売時の印税と出版における贅沢な悩み

クリス・メドウズ

2016年6月10日

昨日、The Digital ReaderのNate Hoffelderの話で私の興味を引いたのは、本の値引きが著者の印税に影響を与えることに関するイギリスの絵本作家James Mayhewのブログポストだった。Nateは私が記事に対してもつ意見を知りたがっており、彼自身その話題について扱っていた。私自身の見解の客観性を保つため、自分の記事を書き終えるまではNateの記事を読まなかった(RSSフィードに出てきたヘッドライン以外は)----とはいえ、見出しから、私たちの見解は極めて似たものになるのではないかと思っている。

Mayhewの懸念は、値下げ販売された作品の印税に関わる出版契約の伝統的な側面に関係がある。20ドルのハードカバーが12ドルに値下げ販売されたとき、印税の割合は20ドルではなく12ドルで計算される----つまり、その本に関して、著者は40%の収益減となる。(また、ついでに言うと、出版者もそうなる)。Mayhewが例として設定したように、著者が10%の印税を得るとすると、1冊の本の売上に対する収入は2ドルから1.20ドルへと減少する----だが、彼の記事から判断するなら、彼は実際のところ2ドルでそれらを販売している小売業者について話しており、その場合、売上ごとに彼は20セント受け取ることになる。(もちろん、Mayhewはイギリス人なので、彼自身の例ではドルではなくポンドを使っているが、私はアメリカ人だから、そうしたければドルを使える)。

皮肉なことに、Amazonが出版者の電子書籍を9.99ドルに大幅値下げし、代理店による価格設定についての激しい論争を引き起こしたときには、出版者に対して卸売価格による料率で全て支払われており、それはつまり、著者は9.99ドルの販売価格ではなく、電子書籍の正規の小売価格に基づいて支払いを得ていたことを意味した。

伝統的な出版契約では、著者には通常、印税収入が前もって支払われる----販売される最初の数千部で得られる印税相当の現金額が前払いされるのである。例えば、著者に前払いで10,000ドルが支払われたのだとしたら、それ以上のお金を得るためには2ドルの印税で5,000部を売らなければならない。(私の理解では、新人および中堅作家に前払いで支払われる最大額はそれよりもはるかに低いが、例とするために数を丸めている)。

Mayhewの問題はつまりこうである。本が値引きして販売されると、著者が前払いで得られるよりも多く稼ぐために販売しなければならない部数は、それに対応して多くなる----20セントの印税でどれくらい売らなければならなくなるのか、ちょっと想像してみよう----そして、定価で得られるときでさえも決して確実なものではない。イギリスの小規模市場では、絵本の印刷部数はたいてい3,000部よりも少なく、Mayhewの執筆と描画、生活費は前払金のほとんどを食いつぶしてしまう。

Mayhewをこれほどまでに憤慨させたのは、販売店がこれらの本を低価格で販売していたというだけでなく、事実上、出版者がぶち壊しにしてしまっていることである:

値引きされたカタログが売り飛ばされれば、印刷しすぎた在庫は減る;筋が通っている。だが、冷たく厳しく冷淡な出版者の仲買人はこれらの人々と取引し、要望に応じて印刷する。出版者はカタログを値引きするために(彼ら自身にとっては損ではないのだが)、本を極端に低い値段(一冊あたり50ペンスに満たない)に置いて販売することに加担している。そうして彼らはそれらの本を非常に利益を上げられる値段で販売する----大抵は一冊あたり1ポンド。何千もの部数。で、著者は? 一冊あたり4ペンスに満たない。値引きした会社は毎年、何百万と稼いでいるのに。正確にどれほどの本がこんなに安く出されているのかはわからない----だが、出版者が私に保証したところによれば、彼らは倫理規定に従っており、中国にある印刷会社は搾取工場ではないのだそうだ。もしかすると、同様の倫理規定が著者に適用されなければならないのか?

しばしばMayhewが記すところによれば、著者はこれらの取り決めを管理する力をほとんど全くもっておらず、結局のところ、執筆し、絵を描き、宣伝し、本を押し出そうとする彼らの大変な努力は出版者の行動によって切り下げられる。そういうわけで、著者の幸福に貢献しないことを考えるなら、読者は信念をもった立場を明確にし、このような安売り一覧から本を購入することを拒否するべきだというのが彼の立場である。

私のさしあたっての反応は、非常に「第一世界問題」----上部のミュージックビデオで説明されているように、第三世界における流行病や飢餓、教育へのアクセスの不足といった現実の問題を心配する必要のない場所に住む、非常に特権的な人々にとってのみ問題となるようなこと----に似たにおいがするというものだ。

どこから始めるべきだろうか? 手始めに、おそらくMayhewの前払いに対する見方が間違っている。私が理解するところでは、多くの本は前払金から稼ぎを得るわけでは決してない。これはとりわけ高いレベルの有名人作家に当てはまる。例えばスティーヴン・キングやジョン・グリシャム、(あえて言わせてもらうと)Snookiのような著者は、多くの部数を売るには何年もかかるという了解のもとで6桁や7桁の数字で前払金を受け取る。だが、(それほどではないかもしれないが)新人作家や中堅作家にもちょうど当てはまるだろう。

私はしばしば、前払金は本から得られるお金の全てだと考え、それ以外で得られるものは予定外だが歓迎すべき拾い物として扱うよう助言される著者たちを見てきた。そういう風に計画することはまた、出版者の値引きの分け前を取り除くことにもなる----本が稼ぎを得るまでどれくらいかかるのかは問題になるだろうか? すでに支払いは得ている。十分すぎる前払金が得られなかったなら、まあ、追加のお金は拒まない方が良いだろう。

もうひとつのポイントは、著者を支援するために消費者に対してもっと本にお金をかけるよう頼んだほうがよいだろうということだ。だが、真の解決策を探しているなら、値引き品を控えるように消費者に頼むことは損をする提案である。率直に言えば、海賊行為が横行し中古本の出回るこの世界では、そもそも新刊を買っていることを喜ぶべきだろう。(私はそこに「図書館」をほとんど含めているが、イギリスの著者は図書館での貸出から支払いを得ている)。

著者が報酬を支払われる方法に実際的な変化を望むのであれば、Mayhewは均衡の間違った面に注意を向けているように思える。出版者が著者をうまく利用することをやめて欲しいなら、それを手伝うようにお金を使うことを読者にお願いしたらどうだろうか?

Mayhewが不満を向けるべきは、彼自身を含む著者たちである。出版者がそんなにもいい加減な扱いをするのなら、その出版者との仕事をやめてもっといいところを探せば良い。(その出版者が契約条件でその関係から逃れられないようにしていないと仮定すれば。もしそうなら、弁護士の準備をするのが良い! もしくは、場合によっては「法務官の準備」を)。

しかし、業界全般にわたってすべての出版者が彼らを同じように扱っているとしたら、著者はどんな代替案を取れるだろうか? 自己出版の支持者はここでにやりとして意味ありげに咳払いをするかもしれないが、公平に見て、自己出版は全員にとって正しい選択とはならないだろう。余計な仕事に耐えられるなら、魅力的な代替手段ではあるが。前払金は得られないが、はるかに少ない売上でも稼ぐことができ、1冊ごとに十分支払いが得られる。

だが、食べていくことのできる契約条件が得られず、自己出版もできないなら、現在の職業で生計を立てることのできない誰もが行うことと同じことをしなければならない----他の職業を見つけるのだ。作家であるからといって、世界はあなたが生きることに義務を負うわけではない。私が思うに、ハンバーガー調理係は、好きでやっているのであれば、ハンバーガーを調理する以上の支払いを受けるだろう。出版者が手痛く思い始めるくらいの数の著者が職を変えれば、物事はすべての人にとって良い方に向かうかもしれない。

もちろん、大勢の著者がそれをすることを保証するものでは決してない----しかし、消費者よりも著者ははるかに少なく、非常に可能性が高くなれば望ましい結果を得るために十分な量にたどり着けるだろう。

つまり、扱いが不公平だと出版者に対する不満を言う前に、彼らがそのような状況に置かれているのは本当は誰のせいなのか著者たちはよく考えてみるべきだろう。読者はしばしば安い値段で少しのお金でも節約する----そして、そのような低い値段は、出版者にそれが可能なため、最初の場所にのみ存在する。それで、作品を出版者に売ることで、出版者がそのような低い値段で提供することを可能にしているのは誰だろうか。

【The original articles are copyrighted in the United States of America by North American Publishing Company. They are used with permission from the Company.

英語原文はアメリカ合衆国においてNorth American Publishing Companyが版権を保有している。本翻訳はNorth American Publishing Companyの許可を得て翻訳公開するものである。】

 
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更新日:2016-06-24 07:10:40 shikimi 6  del.icio.usに追加   はてなブックマークに追加   twitterに投稿   facebookでshare
[ 原文 ] http://teleread.com/discount-sale-royalties-and-other-first-world-publishing-problems/ 原サイト(http://www.teleread.com/)から、同サイト上の記事については、著作権表示を明記した上で「みんなの翻訳」サイト上で翻訳公開する許諾を得ている。
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