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抑圧を輸出するエルビット:パレスチナからラテンアメリカまで / ジェームズ・キャンベル

 2014年8月24日

偵察。それは今や報道やちょっとした会話で頻繁に登場するテーマである。技術が新たなかたちの接続に可能性を開くと、新たな手段で人びとが監視される。監視はいたるところに存在するようになった。メールを読み取るアメリカ国家安全保障局から、上空で偵察する無人機まで。66年間力ずくで先住民を支配してきた国家として、こうした監視を続けている国の一つがイスラエルである。イスラエルの軍事産業はパレスチナの人びとへの抑圧と監視から利益をあげてきた。占領によって暴利を貪ったイスラエル企業のなかでも頂点を極めるのは軍需企業エルビット・システム社である。イスラエル国内最大の民間軍需企業である同社の2010年の収益は28億3千万ドルであった。パレスチナの占拠を支援して獲得した知識と技術を駆使して、エルビット社は数多くの偵察機や防衛設備を世界中に輸出してきた。そして、その矛先はラテンアメリカに向けられつつある。

20世紀を通じて、ラテンアメリカの独裁者および抑圧的政権の武装化にイスラエルが果たした役割はよく知られている。今新たにラテンアメリカの国々にイスラエルの軍事企業が関与する傾向が高まっているが、その先頭に立つのがエルビット社である。エルビット社は少なくともラテンアメリカ5カ国と米・メキシコ国境に進出している。

ラテンアメリカとエルビット

2008年、メキシコはエルビット社の無人機「エルメス450」2機と「スカイラーク」1機を2500万ドルで入手した。2012年には性能の上がった「エルメス900」2機を5000万ドルで購入。エルメス社の無人機は偵察とともに攻撃の機能も持っておりメキシコ連邦警察の所有とみられている。表向きは麻薬密売カルテルの取締に使用するとされている。しかしエンリケ・ペニャ・ニエト政権誕生後は、市民運動、そして中央アメリカ、南アメリカから米国への入国を目論む移民の取締が強化されている。また、サパティスタの動きを察知するためにチアパスのジャングルを監視したり、メキシコ市のデモを警戒するために無人機を使用することも十分考えられる。

2013年、コロンビア空軍は「エルメス900」と「エルメス450」各1機を購入したことを公表した。コロンビアの最大の戦争は内戦であり、「コロンビア革命軍(FARC)」と「コロンビア自由軍(ELN)」による反乱の鎮圧に使われるのは確実である。和平交渉が暗礁に乗り上げたので、配備される無人機エルメスには多発性弾頭ミサイルが装備された。

チリ空軍は2011年に「エルメス900」をエルビット社から購入した。 チリ当局は使用目的を「海上パトロール」としているが、実際には「戦略的偵察作戦」の一環としての無人機の配備を認めている。チリの無人機はマプチェ人の偵察に使われてきたし、国内の激しい学生運動や市民活動に使われたとしても驚くべきことではない。

ブラジルはエルビット・テクノロジーにとってラテンアメリカ屈指の顧客である。ブラジルにはエルビット社の100%子会社、Aeroelectronica Industria de Componentes Avionicos SA (AEL Elbit)がある。同子会社は、ブラジルのF-5戦闘機の最新化とAL-X航空機の改良に関する契約を結んだ。またブラジルのAMX攻撃機の改良について1億8700万ドルの契約も手にした。2010年には、「エルメス450」2機を購入し、AELと地上関連施設についても契約。2014年3月、サッカー・ワールドカップに向けた航空偵察能力強化のため、エルビット社から「エルメス900」設備一式も購入した。ワールドカップに関しては抗議デモによる激しい抵抗があるため、無人機がこうした対策に一役買ったと思われる。挙句の果てには、2011年にエルビット社から遠隔操作の砲塔を2億6000万ドルで購入している。ガザで使用するイスラエルのメルカバ戦車に取り付けられているもので、これらの砲塔は「30ミリ機関砲、7.62ミリ同軸機関銃、レーザー警告システム(LWS)、パノラマ指令照準器、発煙弾発射筒など、非対称戦争攻撃に然るべき装備を備えている。」 ファヴェーラ(都市スラム)に侵入、あるいはワールドカップへの抗議を制圧するなどの非対称戦争に使うつもりだったのか。
 

エルビットが壁を建設

米国以南の政権に装備を提供する他に、エルビット社は米国・メキシコ国境沿いで、ある部類の人間を識別、感知、阻止するインフラの建設に重要な役割を果たしている。2006年、米税関・国境警備局は、「アリゾナ出入国イニシアティブ」の一環として国境沿いにエルビットの無人機「エルメス450」を配備した。また同年、米国土安全保障省は、予算20億ドルのついた「国境警備構想」の一環として、米国のエルビットの子会社コールスマンと契約した。エルビットはボーイング社と共同して、「カメラと行動感知器を備えたタワー1800基を国境に沿って設置する」ことを提案し、今年、「集積固定タワー」設置の契約にこぎ着けた。EFWの補助金による1億4500万ドルの契約の第一段階である。このタワーは、昼夜を問わず8~12kmの範囲内で「歩行中の標準サイズの大人一人」を感知し、「その人物に関する高い解析が可能の録画」ができる感知装置を備えている。

技術力を誇るエルビット社はアメリカ・メキシコ国境沿いに設置された「死の壁」で大きな利益をあげたが、そもそもこの壁はイスラエルの「分離壁」としてパレスチナに建設されたものである。完成したときには全長700km以上にもおよび、パレスチナの人びとの農地や村を横切り、家族・友人、医療、教育、土地、仕事からパレスチナの住民を遮断した。この「分離壁」はヨルダン川西岸地区にイスラエルが入植する計画の重要な要素となっている。エルビットは壁に「侵入検知システム」を提供している。無人航空機、遠隔操作の戦闘用車両、LORROS監視カメラも提供している。エルビットの製品はエルサレム、アッラーム、そしてアリエル入植地でも使用されている。

2004年、国際司法裁判所はイスラエルに対し、分離壁は違法であり、解体し、壁の建設によって生じた損害を賠償せねばならないと勧告した。国際社会に対しては、この違法状態を認めてはならないとした。この勧告にもかかわらず、エルビット社は分離壁の存続に関与し続けていることから、重大な国際法違反、つまり戦争犯罪に加担しているのである。

7月9日は国際司法裁判所の勧告から10年にあたり、パレスチナ人の組織や同盟は7月を「反分離壁の7月」とする声明を出した。世界中の人びとや組織に分離壁についての認識を高め、分離壁に関わる企業に対してボイコット・投資の撤収・制裁(BDS)のキャンペーンを開始あるいは強化して、国際司法裁判所が示した勧告を政府が遵守するように働きかけることを呼びかけた。エルビット社が、占領で暴利を貪っている主要な企業として、このキャンペーンの最大のターゲットになっていることは驚くにあたらない。

過去に、活動家の取り組みによって、Norwegian State Pension Fund(ノルウェー年金基金)、Kommunal Landspensjonkasse(ノルウェー最大の生命保険会社の一つ)、 Danske Bank(ダンスク銀行、デンマーク最大の銀行)、 PKA Lted.(デンマーク最大の年金基金の一つ)、 ABP(デンマークの公的年金基金)などが、エルビット社から資金や取引を引き揚げて成功した例がある。チリから米・メキシコ国境、そしてパレスチナにわたって、エルビット・システム社は人権侵害に積極的に加担している。「反分離壁の7月」はエルビット社や世界中に広がる抑圧に抵抗する絶好の契機となった。

「人びとを排除し、社会的に無視し、没収し、差別し、人びとを分断しようとする政府にとって、分離壁は容認できるモデルであるということをイスラエルは見事に例証している。」として、パレスチナの人びとは他の闘争との連携に声をあげ支持の姿勢を示している。

Z

スコット・キャンベルはサンフランシスコ・ベイエリアを拠点とするパレスチナ・メキシコ連帯運動の活動家であり、「反分離壁の7月」キャンペーンのボランティアである。

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更新日:2014-12-18 11:00:17 ozawa 4  del.icio.usに追加   はてなブックマークに追加   twitterに投稿   facebookでshare
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