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日本軍国主義の再浮上 / ピーター・シモンズ

2014年7月3日

「集団的自衛権」の行使を認めるために「憲法解釈変更」を是認した7月1日の閣議決定は日本軍国主義の復活の明確な転機となった。この決定は、他国の支援を口実とした軍事力の使用に対して憲法が歯止めとなることに終止符を打つ重大なステップであり、日本帝国主義が新しく軍事同盟を結びその同盟国に協力して侵略戦争を仕掛けることを認めるものである。

自衛隊は平和の部隊、と曖昧な表現で保証する安倍晋三首相の声明に誰も騙されてはならない。歴代内閣は、正式には戦争を放棄し、軍隊は決して保持しないとのいわゆる憲法の平和条項について解釈をし直しながら、世界でも高い戦闘能力をもつ軍隊を築きあげてきた。今回、安倍は自らが「積極的平和主義」と呼ぶものを好き勝手に進めることができるようになった。それは外交的挑発と軍事手段によって日本政府の戦略的、経済的な利益を全うすることに他ならない。

この閣議決定は、深刻な世界経済危機が全世界で地政学的な相克と緊張を煽っていることを背景としている。安倍政権による決定はさしあたって、オバマ政権の「アジア基軸戦略」に日本が密接に協力し、対中国への戦備にゴーサインを与えるといった効果を生むであろう。米国防総省の戦略立案者らは在日米軍基地を中国との戦争に欠かせない要素とみなしている。

オバマの「基軸」はすでに東アジアを危険な状況にしている。この4年間、米政府の勧奨もあって、日本政府は尖閣諸島(釣魚島)----東シナ海の無人の露出した岩体----をめぐる中国との紛争を、40年くすぶっていた取るに足りない問題から危険な火種へと変えた。今では日本と中国の船や航空機が至近距離まで接近する危険な機動が日常となっている。ちょっとした偶発的あるいは思惑違いの事態が一気に武力衝突を招く危険性をはらんでいる。

今のところ日本は、日米同盟の傘下で自国の目的を達成しようとしているが、それが継続する保証は何もない。米国が目先の目的のために日本の再帝国主義化を積極的に駆り立てているのをみると、帝国主義の2列強(米国と日本)が、かつて中国とアジア太平洋地域の支配をめぐって数千万人の命を奪った1941~1945年の血なまぐさい戦争で戦ったことを、米政府は忘れたかのようである。オバマ政権は、安倍政権による憲法の解釈変更を称賛している。その憲法は戦後アメリカの占領軍が日本の軍国主義に歯止めをかけるために起草したものである。

世界的な経済不況が悪化する折、20年間の経済不況から脱することができない日本の支配層は、自国経済の低調ぶりと脆弱さをひどく懸念している。1868年の明治維新後、日本帝国主義は西欧列強に対抗して日本の利益を主張するために軍国主義に頼らざるをえなかった。安倍は再軍備化と、周辺地域および国際的な連携強化を進めている。それは主に日本の支配層エリートの目的を達成するためである。そのエリート層が米国と連携していようと、独立していようと、あるいは米国に対抗していようとかまわない。

一月に開かれたダボス会議(世界経済フォーラム)のスピーチで安倍は現在のアジア情勢を第一次世界大戦前のヨーロッパに例えた。現在の中国を1914年のドイツ帝国主義のようだと誤った比較をして、安倍は自政権の再軍備化の事案を正当化するために、中国を「攻撃的」、「領土的野心の亡者」と決めつけた。

それにしてもやはり、多くの評論家が指摘する一世紀前の世界との類似は基本的な真実を示している。20世紀に起きた二つの世界大戦で噴出した資本主義の根本的な矛盾は再び容赦なく人間を非道な戦禍へと投じている。日本の再軍備は、戦争への高まりが激しくなっているいたる所の労働者や青年への警告である。

世界中の同類と変わらず、安倍政権の戦争準備は、1930年代や1940年代の日本帝国主義の恐るべき犯罪をごまかす思想的キャンペーンと密接な関連をもっている。これらの歴史的改ざんは戦争の支持基盤を社会に形成しようとするものである。しかし日本軍国主義の略奪行為と警察国家的やり口は、日本の労働者階級の意識から忘れ去られてはいない。安倍が「憲法解釈変更」を打ち出すために反民主的なやり口に頼らざるを得ないのはこのためである。正式に憲法改正を試みようとも、労働者市民の圧倒的な反対を受けて失敗するであろう。

日本軍国主義が中国やアジア全体の緊張状態を悪化するのは確かだ。旧日本軍は朝鮮半島や中国、そしてマレー半島、インドネシア、東南アジアのほぼ全域で残虐行為を行った。中国および韓国政府は、弱い支持基盤を補強し軍事増強を正当化するために、これらの戦時記憶を巧みに利用して、国内のナショナリズムと狂信的愛国主義を駆り立てている。フィリピンのアキノ政権は、戦備をちらつかせて中国政府に対抗する日米の歩調に合わせ、戦時期の日本による占領の記憶を封印しようとしている。どの政権も戦争へ傾くことを止めることができない。むしろ加速していると言ってもいい。

日本、中国、米国、そして世界中で、戦争や 軍国主義の危険性が高まることに多くの市民が反対している。しかし、こうした思いがどの国でも政治体制に表出することはない。新たな世界大戦を防ぐ唯一の方法は日本、中国、米国、アジア全体、そして国際的に労働者階級が一つとなった運動を築き、資本主義を廃止しグローバルな社会主義を構築するしかない。

著作権©グローバルリサーチ、2014年

 
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更新日:2014-07-24 09:40:42 ozawa 15  del.icio.usに追加   はてなブックマークに追加   twitterに投稿   facebookでshare
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