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持続可能性を探る:8つのデジタル化特別コレクションから見る戦略(2) / ナンシー・L・マロン、サラ・ピックル

持続可能性を探る:研究結果

図書館とその他の収集機関は、所蔵している貴重な物品の保護と保存に必要とされることについて長い間懸念をもっていた。しかしながら、彼らが現在発達させているデジタル化資源は物理的な資源と根本的に異なり、それらに付随する主要な活動は、雑誌や図書に当てはまるような固定された一回限りの取り組みではない;むしろ、活動は継続的であり、デジタル資源そのものとそれらが存在しているデジタル環境は、物理的なものよりもより動的である。そうであるなら、デジタル化コレクションにとっての持続可能性とは何だろうか?

組織がはじめにデジタル化に着手するための幅広い理由をもつのとちょうど同じように、持続可能性は、目標や関連する文脈に基づき、様々な方法で測定され得るものであり、コレクションによって異なることがある。例えば、大規模で公衆向きのウェブサイトにとって、持続可能性はより多数の利用者を引き付けることを必要とするかもしれない;その他のものにとっては、ごく少数だけ----だが適正な少数----を引き付けることで十分となる。それでもなお、教育と学習の中で伝えた価値、または学問への具体的な貢献の中で伝えた価値によって自らの成功を測るだろう。

言い換えると、持続可能性やデジタルイニシアチブの成功を評価するとき、成功を示すページビュー数やダウンロード数、ユニークビジター数はあらかじめ定められてはいない;私たちはデジタル資源が多くの、あるいはいくらかであっても、収入を生み出すことができるという証拠を探しているのではない。それよりはむしろ、継続的支援のサイクルと、「コンテンツの価値や利用する人々に対するサービスを守り、増進するために必要とされる----金銭的またはその他の----資源を生み出すまたは資源を利用する方法を得るための」*22資源の指導者たちの能力を見分けたいと望んでいる。持続可能性についてのこの定義は、意図的に柔軟性のあるものにしてあり、これらの資源を支援するための適当な継続的戦略が、望みどおりの条件で、それら自身の目標に照らし合わせて、大々的または控えめと評価されるようにするためのものである。

そうは言っても、この幅広い定義の中で、持続可能性を示す指標として使うことになるいくつかの特徴をこれまでの研究プロジェクトにおいて観察してきた:献身的な利用者とその他の利害関係者を引き付ける能力と資源が長い時間をかけて成長することを可能にするであろう資力を引き寄せる能力。3つ目の特徴は、ある意味では最初の2つの論理的な発露である:継続年数

これらの3つの特徴----継続年数と一般への影響、財政の安定----は、私たちの研究の中で、任意のデジタル化特別コレクションが持続可能であることの指標として、そして、ひいては事例研究の選択基準として使われた。

一度事例が選択されると、任意のコレクションそれ自身によるこれらの領域での活動と進歩の評価方法と達成したことの実現方法について、より詳細に理解するためにさらに綿密に観察した。それぞれの事例研究は、http://www.sr.ithaka.org/research-publications/searching-sustainability詳細が収録されており、影響と資金調達方法に焦点を合わせつつ、デジタルコレクションの歴史やその現状と功績、特にその持続可能性戦略についての概略が示されている。事例研究は、今日におけるその資源の立ち位置とそれがそこへ到達した方法、現在の成功に寄与してきた主要な要因であると私たち(研究チーム)が識別したもの、そして、将来の持続可能性にとってリスクとなりうる懸念領域だと私たちが見ているものについて概略を示している。

1. 持続可能性の指標:長期間の公的利益と金銭的支援

継続年数

少なくとも2年は存在してきたデジタル化特別コレクションを選ぶことで、これらのプロジェクトが最初に創設されて以来、自らを維持してきた方法を調査できると期待していた*23。

調査された8つの事例の中で、最も古いものは2001年にオンラインに出ており、ごく最近に作られたものは2011年に立ち上げられた。とはいえ、それらが基礎を置くアナログコレクションはそれよりもはるかに古い。デジタル資源が存在してきた年数と今でも活発に運営されている年数は、その機関が今でもその維持と発展にいくらかの価値を見ていることを指し示しているように思え、そのこと自体が、教育用の資源や研究者が調査し開発するための動的なサイトとして役に立つかどうかや、知識の創出に進んで関与する関心のある参加者のコミュニティを引き付けるかどうかにかかわらず、目的とされたことを資源が行っているということを示唆している。しかしながら、デジタルコレクションの「年齢」は必ずしもその将来の持続可能性を指し示すものではない。

公的利益

私たちが観察した事例の大部分において、図書館とその他の機関がデジタル化を選んだ重要な理由は、特定のコレクションのコンテンツへのより多くのアクセスを提供するためだった。これはしばしば交付金の申し込みにおける言葉の中で明らかである:例えば、ハバーフォードのQuakers and Slaveryプロジェクトは、「図書館の記録資源に光を当て、様々な利用者に厳選されたコレクションへの直接アクセスをインターネットを使って提供する」*24ための試みだと述べている。いくつかの事例においては、機関はそれ以前にデジタル化で成功を得ており、そのコンテンツをオンラインに載せることの利益を分かっていた。例えば、Florida Folklife Collectionはより大きなFlorida Memoryオンライン・プラットフォームの一部分であり、それは様々な具体化を経ながら、1995年以来活発なデジタル化プログラムを行ってきた。

しかしながら、私たちが調査したデジタル化特別コレクションの集団の中には、他にいくつかの重要な動機付けの要因もまたあった:

・提供者の願いをかなえることへの興味。Grateful Dead Archive Onlineの場合、物理的なアーカイブという最初の贈り物は、資料をオンラインで利用可能にすること、という条件の下でなされた。その当時、カリフォルニア大学(UC)サンタクルーズ校は、デジタル化の取り組みにおいてささやかな経験しか持っておらず、著しく大きな規模のプロジェクトになることが分かっていたが、このプロジェクトを引き受けることが熱望された。

・デジタル化の業務のための内部の能力を育てるという望み。UCサンタクルーズ校のプロジェクトチームは、大規模なデジタル資源を開発するという難題に立ち向かうことを強く望み、図書館管理者はこれを職員の技能をいち早く育てるためのまたとない機会だと見ていた。

・協力者たちの中に能力を育成することへの関心。他方で、メイン州歴史協会はメイン州記憶ネットワークを構築するとき、他の利害関係者を考慮に入れていた。プラットフォームは協力機関----しばしば州全土にある、より小規模な歴史協会と図書館、博物館----の参加を奨励している。資源を運営しているチームが利用を追跡している一方で、エンドユーザーの大きな基礎を構築したことにおける成功よりもむしろ協力機関の関心を引く能力という観点からしばしばその成功が表現される。同様に、生物多様性遺産図書館(BHL)の運営チームは、それ自身を単に分類学者の役に立つものとしてではなく、コンテンツを精査することで寄与している会員組織にもまた役に立つものとして見なしている。APIsによりクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でコンテンツを利用可能とすることで、BHLは構築してきたコレクションを他の人々が利用し再利用できるようにしている。加えて、他の機関と協力することで、BHLはページごとのスキャニングに対して有利な利率の交付を受けた;寄与協力者は、それぞれが組織内デジタル化プログラムを構築するよりもむしろ、大量にスキャンされた彼らの資料を組み合わせることができる。

・親機関を支えるために必要とされる収入を生み出したいという望み。アメリカ古書協会(AAS)のデジタル化の取り組みで使われた資金調達モデルは、商業出版者との協力関係を作ることを伴う。商業出版者は営利の有料ウェブサイトを通してデジタルコンテンツで事業を行う時限付きの独占権をもつのと引き換えに、コレクションをデジタル化する。これは同協会に、コレクションを収容して世界中からの研究者を歓迎する建物を含む、物理的コレクションを維持するための非常に切望されていた資金援助を提供する。Ellen Dunlap会長は、使用料と引き換えにデジタルコンテンツの利用許諾を与えることをやる価値のあることだと見なしており、それは組織の設備投資のために必要とされる資金の援助をAASに与えるからである。

・歴史的および文化的記録の保存へ深く関与すること。主要なニュース放送局は高価なテープを再利用しており、イブニング・ニュース放送を保存するよりもその上に重ね撮りしていたという発見は、バンダービルトの卒業生に深い懸念をもたらした。彼は、日刊新聞が研究図書館によって組織的に保存されているのと同じように、ニュース放送が保存されることを確実にする資源を作り出すよう母校に働きかけた。

このように当初の目標が全く異なっていることを考慮に入れ、以下に記した方法を用いて、調査対象のデジタルコレクションによる公共への利益あるいはより一般的には影響を定義し、測定した:

・公共の利用/量。これはしばしばユニークユーザーやページビューで測定された。いくつかの資源はかなりの使用の数値を示した;Florida Memoryは1年に4800万ページビューをあげ、生物多様性遺産図書館は1年ちょっとの間(2010年1月から2011年3月)に233の国から100万を超える訪問を報告した。Grateful Dead Archive Online(GDAO)はまた、コレクションを広く共有することの重要性を認めており、それは「Deadheads」がキャンパスをはるかに超え、概して学術団体を十分に越えて存在しているからである。GDAOは2012年の開始以来115,120のユニークビジターがいるが、Deadのコンサートチケットの画像や芸術作品、回想録、どのようなものであれ、利用者から送られる寄与による影響を評価してもいる。

・能力養成。メイン州記憶ネットワーク(MMN)の試みは、非常に直接的な方法で協力者たちを支援しており、職員をより小さな図書館と歴史協会の職員と連携させる場に行かせて、基本的なデジタル化技術とデジタルコンテンツをMMNのシステムにアップロードするのに必要とされる手続きに関して彼らを訓練している。彼らは成功を測定する重要な基準としてコンテンツ協力者の数」を挙げており、それはおそらくデータベース内のオブジェクト数そのものや閲覧者数よりも彼らにとって重要なものである。

・教育や研究への貢献。より小さな学術機関によって造り出されたデジタル化特別コレクションは、特定の公衆のニーズに応じることにいっそう明確に焦点を合わせる傾向がある:学者と学生である。Quakers and Slaveryは、その主題に関心をもつ人々の中の狭い集団にサービスを提供し、プロジェクトチームはコレクションに言及している新刊書に気をつけ、その主題に関する課程において、教授陣が学生とコレクションを共有するのを援助する。Quakers and Slaveryはまた、デジタル資源に関する取り組みに学生を雇うことで、文書のスキャニングと転写の新たな技術を身に付けることに興味を持っている学生の役に立っている。プロジェクトチームは、創造のために用意されたプロジェクトの予算すべてをコレクションに関する支援学生の仕事に充て、引き続きQuakers and Slaveryを図書館の書誌教育のための道具として利用している。

経済的モデル

8つの事例研究を選択する際に私たちはデジタル化特別コレクションを確実な財政支援と創造的な収入への取り組み方で識別しようと努めた。私たちが調査した資源は、いずれも資金難で事業を停止する危険にさらされているようには見えないという点で、財政的に持続可能であるように思える。そして、ほとんどが複数の支援源を挙げていた;実施中の事業に資金を供給する上で、交付金の支援に完全に依存していたところは一つもなかった。費用回収原則に基づき収入を生み出そうと取り組んでいたところもあるが、それらのうちのどれ一つとして、外部の支援を求めることなく継続的に大幅な資源の形成や増加を行うための十分な資金源を生み出す方法を見つけていなかった。その開始以来、自律するための権限委託を受けていたバンダービルト・テレビニュース・アーカイブでさえ、必要なものを満たすために交付金と米国議会図書館との協力、機関による臨時の支援に頼る必要があった。

それでもやはり、私たちは8つのデジタルコレクションの活動の中にいくつかの異なる戦略を観察した。

日々の経常的な活動の中に織り込むことができるように継続費用を非常に低く保つこといくつかのデジタル化コレクションが構築されたのは、交付期間後に必要とした支援がごくわずかな労力で済んだためであり、それらがまさに必要とする業務を親機関の中核的な業務予算の中に織り込むことが可能だったからである。早いうちから技術インフラへ投資したことがその効率性の鍵となった場合もある。

・コーネル大学の家庭経済学アーカイブ(HEARTH)は、コレクションを支えるために堅固だが簡単なバックエンドを作成した。それは、雇うのにそれほど費用のかからない学生のような非専門家による追加を可能にするためであり、技術的な維持管理はコーネル大学の他のデジタル所有財産とともに主要な流れに組み込まれてきた。

・Quakers and Slaveryは、すでに図書館に雇われていた学生が時間のあるときにコレクションを追加できるようにする簡単なデジタル化の手順を開発した。そのプラットフォームの継続的な管理費用は非常にささやかなものであり、ハバーフォード大学と2つの協力機関の間で分担されている。

・新しい、創造的な発展、機能強化のための援助資金の調達を確実にする。

Florida Memoryは、Florida Folklife Collectionのために図書館サービス・技術法による資金提供を求めて年一回提案を行っている。それにより、資源運営チームはそのオンラインコレクションを構築する新たな方策を捜し求める機会を得る。

・メイン州記憶ネットワークはその事業を段階的に拡大することで成功を築いた。最初の交付金でプラットフォームを開発した;次の交付金は、MMNが時間をかけて州中の協力関係を育てることを可能にし、コンテンツをデジタル化してサイトにアップロードする方法を地元の歴史協会に教えることを可能にした。

・財政的および現物での支援をもたらす協力関係を識別すること。

・生物多様性遺産図書館は、事業の成功に利害関係をもち、年会費の支払いに同意した協力者たちのネットワークを構築してきた1年あたり10,000ドルを寄付している会員機関は管理に加わり、資源の案内の手助けをする。

・特定の取り組みを支援するための個別のキャンペーンを行う。

・Grateful Dead Archive Onlineの場合、コレクションの提供者はアーキビストの職が図書館に支援されることを要求し、図書館はこの職に資金を提供するための資金集めキャンペーンに乗り出した*25。

・費用回収原則に基づき収益を生み出すこと。

・バンダービルト・テレビニュース・アーカイブ(VTNA)は高等教育機関に対し、1,000ドルから3,500ドルまでの年会費を課している。加えてVTNAは、通常、資料の貸出の際に請求している料金から毎年およそ180,000ドルを得ており、非会員研究者がコレクションを利用する際に支払っている料金は、資料を検索して複製するバンダービルトの人件費を賄っているのかもしれない。合計すると、これはVTNAの予算の59パーセントを占める収益を上げた。

・Maine Memoryは高品質の印刷およびデジタル画像が売れたとき、コンテンツ協力者に収益を返すため、Vintage Maine Imagesを作った。協力者は料金表に基づく料金の50パーセントを得て、残りの50パーセントがメイン州歴史協会に行き、日々の事業運営費を賄う助けとなる。

どのような要因が持続可能性を促進するのか?

このプロジェクトの初期に、私たちは、ある事業を成功させる能力について説明するのに役立つかもしれない変数を識別しようと試みた。持続可能性を達成する上で、ある特性の重要性についていくつかの有用な傾向と真実が現れ出るであろうことを期待して、私たちは親機関の種類と規模、資金源を考慮に入れ、選択基準の中にこれらを含めた。

最終的に、私たちが観察した「成功」の定義が様々であったために、すべての成功に関して特別決定的だったものとして機関の種類や規模、資金源を挙げることはできなかった。しかしながら、持続可能性に影響を与えるまたはそれを抑制し得ると思える、ある特性に気が付いたため、考慮すべき事柄としてここにこれらの観察結果を提供する:

・学術機関か文化施設か

おそらくは組織的な使命が異なっていることにより、学術機関と文化施設でのデジタル化コレクションの間に相違点を見つけることもあるだろうかと思っていた。数十年前の学術図書館は、物理的にその所蔵場所に訪問できる人々だけにサービスを提供することで満足していたかもしれないが、今日では、それらの多くは積極的に壁を越えて観衆の意見を受け入れている。

むしろ、研究図書館と文化遺産機関は共にいくつかの重要な構造的類似性をもっているように思える。デジタル化コレクションの管理は、より大きな部門の一部として扱われる傾向がある;これは図書館に「規模」の利益を与え、図書館はいくつかのデジタル資源を管理する人や小さなチームをもつことができる。一つの主要な構造的差異は、私たちが調査した学術図書館はすべてより大きな大学コミュニティの一部であり、大学それ自身から予算配分を求めているということである。遺産部門では、似通った構造(例えば、スミソニアンの一部としてのスミソニアン図書館)だと言われるであろうところのいくつかの事例を調査したが、より多くの場合、調査した部署は毎年自らの費用を賄う責任を負っていた(AASとメイン州歴史協会、フロリダ州立図書館・文書館)。機関レベルでのこの独立した立場は、予算目標を満たせないことが選択肢にはないため、ときにより野心的な資金調達をもたらし、収益を生み出すことさえある。

・大規模な組織か小規模な組織か

より大きな組織の方が特別コレクションのデジタル化やその後の維持に適しているのだろうか? 繰り返すが、持続可能なデジタル資源を開発するチームの能力に関して、規模が重要な要素だと指摘することは困難だった。調査した小規模な機関の中には、資源を構築し発展させている小規模な組織(Maine Memory Project)があり、小規模なデジタル化の経験をもち、「一足飛びに」素早く職員の技能を向上させる手段として最初の主要なデジタル化事業を利用している図書館(GDAO)もまたあった。

他方では、成功した戦略だニーズに合った規模で実施している他の小規模組織を観察した。独立非営利としてアメリカ古書協会は、それ自身のデジタル化コレクションの構築に投資するのではなく、組織全体の費用を支えるために商業出版者との提携によりその所蔵品の価値を有効に使うことを選んだ。ハバーフォードのQuakers and Slaveryプロジェクトはコンテンツや利用を急激に伸ばすための計画は持っていないが、低コストでの継続的な管理と保存のための共用の基盤設備によって支えられた教育資源としての価値を果たしている。そうはいっても、より小規模な組織にとっての将来のリスクは明確である:頼るべき「親」組織がなければ、より小規模な機関は自らでは必要とされる職員配置とその他の重要な資源をもたないと気付くだろう。

・内部資金調達か外部資金調達か

この研究プロジェクトの最初に、私たちは、資金源はデジタル化特別コレクションの長期の援助に影響を与える要因だろうかと考えていた。例えば、最初に内部で資金調達された資源は、将来の活動を作りだし運営することに関する異なる期待の方向性やおそらくはより総合的な計画をもっているかもしれないということを示唆している。外部で資金調達された資源は、機関が他の方法では達成できないであろう仕事に着手することを可能にする手段として見られるが、機関の主要業務に十分に取り組むことのできない職員を生じさせるという見せかけだけの接ぎ木の危険性をもたらすかもしれないことを示唆した。交付金が終了すると、職員は解散させられる危険性があり、それは過去に多くの資源で起きたことである。GDAOでは、最初のIMLS資金提供が終了した後、初期のプログラマは常勤の職を求めて離れていった。

実際のところ、BHLを除いて、「内部」資金調達がしばしば人々の時間換算で提供され、めったに定量化されないことを考えると、それぞれの資金源からどの程度の継続的な資金が来ているかを正確に判断することは難しかった。

おそらくここでの本当の問題は、デジタル化の試みが内部または外部資金調達で始められるかどうかではなく、どの程度までその資源が継続的な事業の鍵となる要素への支援をするよう親機関を納得させることに成功してきたかということである。着手した後にその考えによって運営資金の途切れたものを組織が支援することのできる計画を発展させられるなら、デジタル資源はしばらくの間継続することができるかもしれない;もし少しでも継続的支援が交付に依存したものとなるなら、資源の将来はよくても不確実なものである。

そしておそらくここで考慮されるべき前提条件がある:どの程度まで親機関は明確に定めたデジタル戦略をもっているのか、その戦略の中で、一連の役割を担う人々は、コンテンツから技術、アウトリーチ、プロモーションまでこの種の業務の支援に専心しているのだろうか?

それゆえ、これらの最初の特徴は結局それ自体では決定的な要素とならないことが判明した。それぞれの資源を運営しているチームは非常に異なる目標をもっているため、より目立つ問題は、継続的支援のために展開した戦略がそれらの目標を達成する役に立つかどうかというものになる。次の章では私たちが事例研究の中で観察した特徴を概説している。それは、必要とされる財政的および非財政的支援を確保することと、その分野に望ましい影響をもつデジタル化特別コレクションを創出することにおけるプロジェクトリーダーの成功にとって極めて重要だと思われることである。

2. 持続可能なデジタル資源の特徴:優れた実践の例

デジタル資源の維持に関して、Ithaka S+Rは持続可能なデジタル資源の構築における主要因子だと考えられる5つの事柄に注目した*26。その後、それに「親機関の役割」という6つ目を加えた*27。ここで、まさにこの一連の事例----すべてデジタル化特別コレクションの事例----についてそれらの6つの因子に照らし合わせて考える。加えて、これらの資源の持続可能な計画を作成することにおいてとりわけ重要だと思えるほかのいくつかの因子について言及する。以下のそれぞれの話題は事例から描き出されたものであり、8つの事例を横断して観測されたことの概要を提供し、私たちが発見した優れた実践に光を当てる。

6つの重要因子

1. 専任の指導者。強力な専任の指導者は、多くの大規模なデジタル資源において重要な役割を果たしている。ほかのところで研究対象とされたスタンフォード哲学百科事典やThesaurus Linguae Graecaeのような持続可能な資源は、デジタル資源の構築と観衆の育成、必要とされる資金提供の確保に時間をささげている人々によって導かれている*28。しかしながら、研究図書館と博物館、文書館の大部分のデジタル化特別コレクションは、デジタル資源にすべての時間を費やすことのできる個人によって導かれてはいない;管理はしばしばいくつかの部局や個人を超えて分担される。最初の交付金はいくつかの部局の人々を結び合わせる;次の段階では、特定の交付金に関するプロジェクト・マネージャーはいるかもしれないが、資源の日々の運営や長期戦略を監督する常勤の管理者に恵まれることはあまりない。調査したデジタル資源の中でこれに関する唯一の例外は、専任のコレクション・コーディネータがいる生物多様性遺産図書館であり、職員全員がプロジェクトだけに専心しているバンダービルト・テレビニュース・アーカイブである。しかしながら、しばしば一人の人がいくつかのデジタル資源を管理するかもしれない。これはHEARTHに当てはまり、そこでは第一の指導者は2つの別のデジタル資源と図書館の他の取り組みを監督している;Quakers and Slaveryの管理者はまたハバーフォードのQuaker and Special Collectionsの管理者でもある;文書館管理者の時間のほとんどが投入されているFlorida Memoryでさえ、監督するいくつかの資源の一つだと見なされている。

戦略を監督する常勤の管理者がいたかどうかにかかわらず、私たちが観察したいくつかの事例では、影響力の大きい「推進派」の支援、ときには時間とともに異なる人々の支援が非常に重要だった。1968年の設立以来バンダービルト・テレビニュース・アーカイブは大学の最上位の地位においてそれに対する精力的なアドボカシーを行う強力な個人からの恩恵を受けてきた。最初からこのような状況に置かれており、バンダービルトの卒業生たちは、ニュースを記録し、その結果として生じるアーカイブを管理することに対する責任を負うよう母校に働きかけ、その後3カ月のパイロット・プロジェクトに資金を提供した。同様に、営利の販売業者との協力により所有物をデジタル化するアメリカ古書協会が辿った道は長年にわたり中傷する人々がいたが、エレン・ダンラップ代表の一貫した展望はプログラムがそこから彼女の必要とするものを生み出し続けるようにした:将来のためのコレクションのデジタルファイル、組織を支えるための現在における着実な収入の流れ。

その他の事例では、強力なチームは長い時間をかけて成長し発達し続ける資源の背骨となることを証明した。これはFlorida Folklife Collectionに当てはまり、フロリダ州立文書館のチームは2003年に最初にその資源を開発した人々の多くを組み込んでいる。

2. 衆を理解することを通して価値ある提案を展開する。デジタル化資源を運営する何人かの人々やチームにとって、利用者とそのニーズに関する微妙な差異を理解することは難問となりうるが、私たちが調査したコレクションを支えるチームの中には、まさにそれを行っているものや、学んだことをさらに良くやっているものがあり、彼らの資源とそこで提供されるサービスの今後の成長に影響を与えることを可能にしていた。

生物多様性遺産図書館(BHL)は世界中の分類学者に無料の資源として役に立つという明快な使命をもって創設された。BHLの協力者は開かれた収穫可能なデータを提供している;そして利用者統計で観測した傾向に対応して、プロジェクトチームは分類のデータベースで図版検索支援を開発するための交付金をちょうどNEHから受け取ったところである。

Florida Folklife Collectionは頼もしい技術的専門知識をもつ組織内職員に恵まれており、利用者から反応が寄せられると、反復設計により資源が進化し変化することを可能にしている。その結果としてチームが行った最近の変更には、音声をたんに流すだけではなくダウンロードすることを可能にするものや、携帯用機器に合うように最適化するものがある。

3. 運営費。これらのデジタル資源を運営するための費用を決めることは、簡単な仕事ではない。多くの場合、とりわけデジタル化特別コレクションを支援することを選んだ機関の一部としてデジタル化特別コレクションが存在しているとき、総費用は、管理部門の業務予算の残りから、またはそれが一部を構成しているより大きなデジタルプラットフォームから、引き離すことが困難となりうる。多くの図書館は費用を部門レベル(例えば「特別コレクション」や「デジタル」部門と名付けられたところ)で管理しているが、まれに個別のコレクションによるものもある*29。例えば、フロリダ州立図書館・文書館では、Florida Folklife CollectionはFlorida Memoryウェブサイトが管理するいくつかのコレクションの一つにすぎない;Folklife資源に関連した仕事により多くの時間を費やす職員もいるかもしれないが、職員は第一にFlorida Memoryへと配属される

バンダービルト・テレビニュース・アーカイブは当初から自立した資源になることが期待されていたため、完全に独立した予算をもち、それは毎年、総計500,000ドルに達する。これは、このグループ内やさらに広げた範囲でも例外的な事例である。アメリカ古書協会は独立非営利組織であり、年間予算を維持し、使用許諾契約からの収益はその業務予算の一部とみなされている*30。独立した予算を運用していることはそれ自体で持続可能性の指標となることはないが、人々の時間と資源がそれに費やされる必要があるというようなものであり、資源がその組織内で重要な段階にまで達したことを示すものである。加えて、資源がいくらかの収入を生み出しているのなら、それが賄おうとしている費用の基礎を理解できることは重要である*31。

私たちが調査した資源の多くには、基本的な活動がいくつかあった----プラットフォームでのコンテンツの管理と保存、おそらくはいくつかの全般的な技術的支援。外部資金源によって賄われる必要のある補助的な活動という了解のもとで、それらはしばしば機関の中核サービスの一部として提供された。多くの場合、「補助的な」活動は主要な技術開発やコレクションへの実質的な追加のデジタル化、重要なアウトリーチ活動を含むものである。

4. 多様な資金調達源を識別する。デジタル化コレクションを構築する先行投資費用は極めて控えめになるかもしれない----ハバーフォードのプロジェクトに関しては、これらは学生の従事者を雇う費用でしかなかった----または相当量になるかもしれないのは、BHLのようなより複雑なプロジェクトの場合であり、それは基盤設備とインターフェースの開発とともに協力者のネットワークの育成を伴った。多くのデジタル化プロジェクトは交付金による資金調達とともに開始され、その交付金は既存のプラットフォーム上で存続するであろう新しいコレクションのスキャニングの支援に役立てるために利用されるかもしれない。または、コレクションとともに新たなプラットフォームを創出するための財源となるかもしれない。私たちが調査した事例の中で、2つ----AASのデジタル化プログラムとバンダービルト・テレビニュース・アーカイブ----を除くすべては、次の通り、最初は交付金支援によって創設された:

・生物多様性遺産図書館:Encyclopedia of Lifeプロジェクトによるマッカーサー財団からの250万ドル

・Florida Folklife Collection:155,752ドルのIMLS National Leadership Grant(NLG)

・Grateful Dead Archive Online:615,174ドルのIMLS NLG

・HEARTH:277,311ドルのIMLS NLG

・メイン州記憶ネットワーク:新世紀コミュニティ・プログラムからの220,000ドル

・Quakers and Slavery:32,964ドルのIMLS図書館サービス及び技術法交付金

しかしながら、一度プロジェクトが始動されると、交付金は獲得するのがより困難なものとなる。私たちが調査した事例のほとんどは親機関からいくらかの支援を引き出しており、多くは、その他の組織的協力者から、または自発的な寄付者からのいずれかにかかわらず、現物での寄付という恩恵を受けている。ごくわずかだが、収益----費用回収手段としても----を生み出そうと試みていたところもあった*32。例えば、博物館の世界では入館料や画像の使用許諾、ギフトショップの売り上げなどによる稼得利益が見られるのが普通であるのに対して、私たちが調査した事例では、この種の事業の事例はごくわずかしか見られず、ほとんどの場合、非常に小規模だった。

次のデジタル化コレクションはいくらかの収益の生成にかかわっている:

・アメリカ古書協会:第三者の販売業者へのコンテンツの使用許諾。

・Florida Folklife Collection:画像の使用許諾;フロリダの記録管理に関する州立文書館からの内部補助金。Florida FolklifeとFlorida Memoryのどちらもそれ自身の収益を生み出してはいないが、州立文書館によって運用されている記録管理業務は全体として文書館の費用を賄っている;この収益の一部は職員を支えており、その職員の一部はFlorida Memoryに時間を費やしている。

・GDAO:寄付キャンペーン;基金を構築するための重要な資金調達。

・メイン州記憶ネットワーク:私的利用および業務利用に対する画像の使用許諾。これは費用回収原則に基づいて運営されており、1年あたり30,000ドル未満を寄与している。

・バンダービルト・テレビニュース・アーカイブ:提携モデル;貸出回数に基づく支払い方式。

5. 成功に関する数的指標を設定すること……目標への進行を評価すること。特定の効果に関連した目標を設定し、それらを達成できることは、持続可能な資源を運営するための重要な部分である;それは資源を主導している人々が進展を示すことを可能にするが、おそらく最も重要なのは、計画された通りに物事が進行していないときがわかり、必要であれば方針転換が可能になることである。私たちが調査したデジタル化特別コレクションのうちいくつかは、これを非常に有効に利用できていた。Florida Folklife CollectionとFlorida Memoryは、より全般的には月ごとの使用量を追跡しており、正確に利用量を評価する最良の方法を見つけようと苦心してきたが、コレクション内のコンテンツの種別と主題のうち比較的人気のあるものについて十分意識している。彼らは賞と利用者のコメント、その他の価値基準だけでなく、あらゆる報道とウェブサイトへの言及を絶え間なく収集している。これらは彼らが資金提供を呼び掛けるときに重要な文書となる。

他の資源にとって、進捗を見守ることは、当初の目標が満たされていない時期を推測する機会をもたらし、計画を再評価して新たな方向性について考える機会を提供することもできる。寄贈協力者に関して、Maine Memoryの当初の目標は極めて高いものだった;最初の交付期間内に20,000の寄贈を受けるだろうとそのプロジェクトでは予想していた。これは起こらなかったが、潜在的な協力者との研修がまさにどれほど重要だったのかに彼らが気付いたため、評価過程はプロジェクトチームが彼らの価値ある提案を再構築するのに役立った。協力者から提供され取り込まれたものの数という点からプロジェクトの成功を測るよりもむしろ、それ以前にはスキャニングの訓練をほとんど受けておらず、独自のコンテンツをオンラインに載せる代替手段をもっていなかった多くの協力機関に与えた影響という観点から、プロジェクトの真の価値について彼らは考え始めた。

6. 親機関の使命と合わせること。同じ屋根の下で作成されるまたは管理される任意のデジタルコレクションを明示的かつ直接的に支援しているという項目にチェックを入れているかどうかにかかわらず、その資源の親元の機関はサーバー・スペースやアウトリーチ、交付金申請への手助けという形で支援を提供していることがありうる。資源の目標と対象が支援機関の使命を反映しているとき、デジタル資源を管理するチームは親機関からの援助を受けられる可能性がはるかに高い。そのような組織的支援は、外部資金を手に入れることが難しくなったときの安全策としても、推進していくためにすでに整えられた経路としても役に立つ。

AASはコレクション全体をデジタル形式に変換するという決定を行い、自らが受け取っている比較的小規模な寄付金と年一回の出資金から供給されるものよりもはるかに多くの財政援助が必要とされる大胆な決断を実行している。AASは、長期間にわたり協会に重要な金銭的収入をもたらす結果となるであろう協力関係を築くために商業出版者に助力を求めた。そして、そのデジタルコレクションに対する特定の観衆を念頭に置くのではなく、むしろ、AASの総合的な使命と一致したこれらの取り組みを導くデジタル戦略を展開させた。

HEARTHもまた親機関であるコーネル大学Mann Libraryから助力を受けてきており、Mann Libraryがサービスを提供している人間生態学部(かつて家庭経済学部として知られていた)の中核的な歴史的文献をHEARTHが映し出しているという事実により、親機関はそのコレクションの重要度を高く見ている。最初の交付金が終わって以来、Mann Libraryと人間生態学部が設けている自由裁量の基金からのちょっとした贈り物とデジタルコレクションの技術インフラに対する大学図書館の支援というこの2つのおかげで、コレクションの発展は成し遂げられてきた。

コーネルとAASのように、多くの機関はデジタル資源の支援を活動の中心に置き始め、ときには独立した予算を配分したり通常の業務の流れの中にデジタル事業の開発管理を組み込んだりすることさえあった。どちらの場合でも、これらの措置を取っている機関コレクションへの徹底的な関与をしており、それらの資源が親機関の日々の活動や事業に密接に結びつき、忘れられたり簡単に捨て去られたりしないようなやり方でそれらを組み込んでいる。

追加で共有された成功要因

上に述べた、デジタル資源に広く当てはまる特徴に加えて、いくつかの重要な論題がこれらの事例研究から浮かび上がり、それは研究図書館と文化機関におけるそれらの運用中のデジタル化コレクションに特に関係している。

・確立した技術的なプラットフォームを元にすること(長期的に道を整えるために前もって考慮する)。デジタル化特別コレクションの構築での最も高い費用の一つは----それに関しては、他のコンテンツの多いウェブサイトの構築でもそうである----、ウェブサイトの開発とデザインの費用である。調査した資源のいくつかは、親機関により行われた技術的なプラットフォームとシステムへの初期投資から多大な恩恵を受けていた。これにより、構築と維持に費用のかかるカスタマイズされたプラットフォームのために必要とされるものが軽減された。

・Triptychは2002年にデジタルコレクションのために開発され、ハバーフォードとスワースモア、ブリンマー大学が共有しているCONTENTdmプラットフォームであり、2009年に開始されたQuakers and Slaveryコレクションの事実上の故郷である。数年前にプロジェクトチームはTriptychの構築を手伝っており、3つの協力大学はそのプラットフォームを支援するためのチームをすでに集めていたため、Quakers and Slaveryを運営するチームはTriptychにそれほど多くの時間を充てる必要はなかった。

・Florida Memoryはフロリダ州立文書館電子画像プロジェクトとして1995年に創設され、2003年にデジタル化したFolklife Collectionのためにプラットフォームの役割を果たしている。とはいえ、共用のプラットフォームがある程度の効率性を提供するときでさえ、開発費用はゼロにはならない。Florida Folklife Collectionは、最初はFlorida Memoryのプラットフォームに支えられていたが、他のFlorida Memoryの資源と同じデータベースを利用して構築されてはいなかった;その始動から数年後、サイト上の個々のコレクションからデータを単一のコンテンツ管理システムに移動させることが必要になった。デジタル化コレクションを扱うプラットフォームの構築を手掛けるプロジェクトにとって、そのようにカスタマイズすることは有利さを与え得るが、危険性をもたらすこともある。Maine Memory Networkに関しては、その運営チームが独自開発のプラットフォームを作り、フリーランスのウェブデザイナーを雇ったため、特殊な脅威がある:管理運営する費用と継続的な開発費用、保存はすべて、デジタルコレクションの維持に関連した費用だと考えられる。つまり、交付金が得られなければ、それらの活動は継続不可能なのである。

必要な専門知識を持った職員を集めることと部門横断的なチームを設置すること。内部の能力開発が多くの明らかな利益を持つ一方で、組織の外部から専門家を迎え入れることがプロジェクトの成功にとって決定的なときもある。これが必要だとプロジェクトチームが感じたのはごくわずかな事例だけだと気付いた:Florida Folklife Collectionは訓練を受けた音楽のアーキビストの職務能力を必要とした;バンダービルト・テレビニュース・アーカイブは、後援を受けた事業を発展させるために営業マネージャーを迎え入れる必要があると気が付いた;アメリカ古書協会は、商業的な販売業者との許諾契約を構築し、交渉するための許諾契約の代理人を雇用することの価値を理解していた。

これらの専門の職に資金を出す方法は、必ずしも明らかではない。珍しい事例では、特定の寄付がその職を可能にした場合があり、例えば、Grateful Dead Archive Onlineがそうである;そのアーカイブの最初の寄付には、常勤のアーキビストを雇うこととその職に財源を提供する基金を創設することという条件が付随していた。AASの場合、使用許諾の代理人は常勤の職員ではないが、委託方式の下で従事している。より一般的なのはいくつかの交付金の部分部分を集めて組み合わせ、これらの職の費用を共同で負担することだが、この戦略はその程度のものでしかない;私たちはまたプロジェクトリーダーから、資金提供を受けたプロジェクトの隙間で、非常に重要なチームのメンバーが仕事を移ることやより安定した雇用を見つけることがあるという報告を聞いた。

強固な協力関係を築くこと。ハバーフォードとコーネルのどちらもそのコレクションを支援する他の図書館との協力関係を頼りにしてきた。Quakers and Slaveryは、ハバーフォードとスワースモア、ブリンマーが共有しているデジタルコレクションプラットフォームに置かれている。それぞれの大学は、等しくそのプラットフォームの年間のライセンスを分担し、継続する上での維持整備に職員を配属しており、そうしなければこうした小さな大学のいずれにとっても手が出せないほど高い費用となるかもしれないものを最小限にするための助けとしている。コーネル大学Mann LibraryのHEARTHチームは、同様のコレクションを持つ図書館に対して、コーネルが持っておらず、すでにHEARTHコレクションに極めて重要だと確認されているより重要な資料のいくつかを提供する手伝いを依頼した。コーネルは他の機関に対してスキャニングは資料に悪影響を与えることはないと請け合い、それらの図書館は無償で本と雑誌をMann Libraryに貸し出した。

BHLの協力関係は、その資源の成功にとってさらにいっそう決定的だった。そのコレクションに責任を負うチームは、個々のメンバーが参加の支援として受けた交付金に加えて、その資源を支援するためにBHLのメンバーは14.2 FTEと1,381,670ドル(職員とその他の費用を賄う)に相当する寄与をしてきたと計算によって推定した。

3. 持続可能性のための現在進行中の課題

私たちが調査した8つの事例は、ある種の方法で成功していることから選ばれた:低い維持費用の共用の基盤や利用者による寄与を促進するインターフェースを開発してきたものもあれば、継続中の事業を支援するために機能する収益モデルを開発してきたものもある。また、それらが一部を形成している機関の中核的な使命を証明するデジタル化資源の構築に絶え間無く努力してきたものもある。いずれの場合にも、資源は長い時間をかけて自らを助け、利用者とその他の利害関係者にとって価値あるものでありつづけるための方法を見つけてきた。

もちろん、それぞれの機関の環境は、持続可能性にとっての特有の機会と障害を提起する。確かに、私たちが調査対象としたデジタル化コレクションを運営しているチームは皆、これらの資源の維持と発展のために奮闘しているとき、課題に直面してきた。8つすべてが同じ課題に直面したわけではないが、次に述べるのは、グループを越えて浮かび上がってきたいくつかの論題である:

・評価の測定。調査した資源のいくつかは、成功を数量的に測定する方法の提供にある程度の困難を抱えていた。ある事例では、データは存在したが、私たちが最初に接触したときには思い出されることがなかった。他の事例では、技術的な障害が正確な数字に到達することを困難にしていた。私たちが話をしたチームのうち、ごく少数だけが利用に関する明確な目標設定に言及した。AASはReadexから予測通りのデジタル著作権使用料を受け取り始めていたため、収益を生み出す活動に従事するその他のプロジェクトがそうであるように、収益目標を設定することができた。

資源への職員配置における外部支援への依存ほとんどのチームはコンテンツや技術、アウトリーチなどのいくつかの種類の役割にある人々を含むが、より専門分野に特化した職員の中にはその職を交付金の援助に頼っているものもある。これは、2つの事例において、交付金の間に当たったときに重要な職員(例えばプログラマ)を失うことをプロジェクトにもたらした。

・外部資金への依存。より一般には、この課題は交付金をもとにした資金調達への過度の依存として説明されることがある。私たちが調査したほとんどの資源は複数の支援源に基づいてシステムを開発していたが、インタビューを実施したほとんどの指導者たちは、コンテンツや技術開発の重要な新しい段階の支援について、交付金による資金援助をあてにしていた。

・デジタル化の範囲を越えていないこと。デジタルコンテンツが学術コミュニケーションの組織構造にとって不可欠な要素となるにつれて、利用を促進するような方法でコレクションが提示されるように確保することはいっそう重要である。これは教育課程や研究手段を構成する要素を開発することや出版への組み込み、利用者の寄与を可能にすることを意味するかもしれない----すなわち、人々がこれらの資源を使って活動できるようにするための道具を開発することである。

・デジタル化コレクションの利用者が誰で、どのようにして彼らにたどりつくのかということに関して十分に意識されていないこと。多くの資源はどれくらいの利用者が資源を訪問したのか、またはどれくらいのページビューを記録したのかについて調べるためのある程度の観衆評価に携わっているが、彼らのデジタル化コレクションを日常的に利用している人々に対して、積極的に調査や話をしているところはほとんどない。

*22 Maron et al., Sustaining Digital Resources, p. 11.

*23 Grateful Dead Online Archiveは2013年に2年の節目に達した。「小規模な」学術研究機関で実行可能な事業を識別することの多大な困難さのため、そしてその事業が提示した影響と利用に関する魅惑的な潜在可能性のため、それを含めることにした。

*24 John Anderies, “Quakers and Slavery, ” application for IMLS Library Services and Technology Act grant, 2008.

*25 キャンペーンウェブサイトはhttps://crowdfund.ucsc.edu/project/521b8e6f0920652673f9fa55である。

*26 Maron et al., Sustaining Digital Resources, 2009.

*27 Ithaka S+Rの「親機関」研究プロジェクトシリーズに関する詳細は、注12を参照。

*28 Matthew Loy, Thesaurus Linguae Graecae® (TLG) 2011: How a Specialised Resource Begins to Address a Wider Audience, Ithaka, October 2011, http://www.sr.ithaka.org/research-publications/tlg-update-2011とMatthew Loy, Stanford Encyclopedia of Philosophy 2011: Launching a “Freemium” Model, Ithaka, October 2011, http://www.sr.ithaka.org/research-publications/sep-update-2011を参照。

*29 図書館の議論に関しては、Maron and Pickle, Appraising Our Digital Investment, pp. 17–18を参照;ボーン・デジタル・コレクションに関しては、Dooley and Luce, Taking Our Pulse: pp. 57–58を参照。デジタル資源の創出のための博物館の職員配置に関する詳細は、IMLS, Status of Technology and Digitizationを参照。

*30 Maron and Pickle, Appraising Our Digital Investmentはこれらのプロジェクトを管理している部門に関するデータを共有している;p. 17参照。

*31 個別の予算についての他の事例には、コーネル大学のarXivプロジェクトがあり、775,000ドル近くの業務予算をもっている。その他の同様の事例には、オンラインのピアレビュー資源であるスタンフォード哲学百科事典と古代ギリシア語文書のコレクションであるThesaurus Linguae Graecaeがある。後者2つに関しての詳細は注28を参照。

*32 費用の決定と資金調達モデルの選択の支援に関しては、Peter Kim et al., Finding Your Funding Model: A Practical Approach to Nonprofit Sustainability, The Bridgespan Group, August 2011, http://www.bridgespan.org/getmedia/aad62d72-936a-4193-9c9f-cc1bbddfcfed/Funding-Models-Guide.aspxを参照。デジタル化特別コレクションに関するARL–Ithaka S+R調査への回答者のうち、49パーセントが収益の生成を少なくとも試みていたと報告した。Maron and Pickle, Appraising Our Digital Investment, pp. 23–28を参照。

【3分割して訳した2つ目。
アブストラクトなどはこちら:http://www.sr.ithaka.org/research-publications/searching-sustainability

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更新日:2016-01-21 20:16:20 shikimi 0  del.icio.usに追加   はてなブックマークに追加   twitterに投稿   facebookでshare
[ 原文 ] http://www.arl.org/storage/documents/publications/searching-for-sustainability-report-nov2013.pdf Creative Commons License この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
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